・・・ 2011年5月31日〜6月2日十和田・盛岡、2011年7月10日〜13日札幌、2011年8月2日〜6日ジュネーブ(スイス)、2011年9月5日〜6日軽井沢、2011年11月10日〜12日札幌、2012年1月14日〜15日盛岡・新花巻、2013年4月20日下田、2013年7月アメリカ(ボストン、ボルティモア、フィラデルフィア、ニューヨーク)、カナダ(バンクーバー、ビクトリア)、2015年3月台湾、2015年7-8月チューリッヒ(スイス)/ロンドン(英国)、2015年10月花巻・盛岡、そのほか鎌倉・東京・京都・下田・沼津・松山など ・・・
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2016/10/04

市民のための「新渡戸教室」 花巻新渡戸記念館

2016年10月1日(土曜日)
10時30分〜
花巻市立 花巻新渡戸記念館

市民のための「新渡戸教室」
「新渡戸稲造博士の足跡を訪ねて」 柴崎 由紀

朝一番の新幹線で、東京駅から新花巻駅に向かいました。
東京は小雨の降るお天気でしたが、東北に近づくにつれて
空が高くなり、すっきりした青空の広がる新花巻駅に到着。
この日は、国体の初日。46年ぶりの岩手県での開催です。
天皇皇后両陛下も、すでに花巻にご滞在中です。

新渡戸稲造博士のご先祖の地 花巻の花巻新渡戸記念館にお招きいただき、
下記のような内容のお話を準備しました。

1 はじめに(自己紹介)

     伝記『新渡戸稲造ものがたり』ができるまで

        ・ルーズベルト大統領からの贈物「時計」(花巻新渡戸記念館で展示)
   と 鎌倉の河野家についてご紹介

2 小さな旅へご案内
     「新渡戸稲造博士の足跡を訪ねて」
  アメリカ・イギリス(ロンドン)・スイス(ジュネーブ)・カナダ
  ~ 非公開資料と取材裏話 ~

  ・約50枚の写真をご覧いただきながら、小さな旅へご案内

3 一人の人物の生涯を通じて学ぶこと
  日本の子どもたち/若者たちへの思い

4    新渡戸稲造夫妻と山室軍平・山室機恵子(花巻出身)夫妻

5 質疑応答(Q&A)

この日は、宗徧流のお茶の先生がたが、お茶席をご用意くださり、
来館者さんたちは、お菓子とお茶も楽しみました。

晴天の休日、そして、国体開会式の日にもかかわらず、お参加いただきました
市民の方々、嶽間澤 茂 館長様、菊池喜一 副館長様をはじめ、ご関係者の皆様に
心より御礼を申し上げます。

2013/07/10

ボルティモアの旧居

ジョンズ・ホプキンズ大学は、新渡戸博士在学当時、もっと南にありました。
旧キャンパスのすぐ隣に、クエーカーのミーティングハウス、そして、
近くに住居がありましたので、調べた住所を頼りに行ってみることにしました。

ところが、そのあたりは、当時と違ってあまり治安がよくないようで、
何人かの人に意見を聞きましたが、「自分だったら、あえて行きたくない」
「昼間なら大丈夫。ただ気をつけて」という反応です。
また、公共の交通機関もないので、大学のビジターセンターでタクシーを
呼んで、タクシーでまわってもらうことにしました。

まず向かったのは、W ランベール通り。



建物の壁に1794と書かれたロゴがあります。
火災保険会社 Baltimore Equitable Society/Insuranceのロゴです。
フィラデルフィア出身のベンジャミン・フランクリンが考えた「火災保険」。
この仕組みを利用して作られたボルティモア最初の会社で、アメリカで三番目に
古い火災保険会社で、現存する会社です。
このロゴは、その火災保険に入っている建物であることを示しているそうです。




このあたりは、きれいな街並で、人の通りは少ないものの危険な感じはしません。
タクシーの運転手さんには、事情を話して、写真を撮る間、待っていてもらい、
次のロケーションに向かいます。



ここは、一時、佐藤昌介、新渡戸稲造、ウィルソン、元良勇次郎が住んでいた
マカルー通りです。
タクシーから降りて、足早に街並の写真を撮って、すぐに次へ。




級友 W. ウィルソン大統領

ジョンズ・ホプキンズ大学のビジター・センターになっているホールに、
W.ウィルソンの胸像があります。




先にジョンズ・ホプキンズに在学中の先輩、佐藤昌介博士に勧められて、
ジョンズ・ホプキンズに入学した新渡戸博士は、佐藤と同じ、アダムス教授の
セミナーに入ります。
そこには、のちにアメリカ合衆国大統領となるW. ウィルソンも在籍していました。
それからさらに30年後、ウィルソン大統領が提唱する世界で初めての国際平和機関、
国際連盟が設立され、新渡戸博士がその事務次長に就任することになります。
運命の巡り合わせでしょうか。


2013/07/09

ジョンズ・ホプキンズ大学

2013年7月8日(月曜日)
今日は、ジョンズ・ホプキンズ(Johns Hopkins University)大学の図書館に
行きます。
事前にメールで打ち合わせをしてあり、10時に伺う約束です。
大学から紹介していただいたホテルのすぐ前が、
キャンパスのノースゲート(North Gate)です。



ノースゲートからうしろを振り返るとホテル(The Inn at The Colonnade)の
全景が見えます。



緑の美しいキャンパス。建物はレンガ色で統一されています。




東部の大学でもこんな注意書きがあるのですね。
「図書館内では、靴とシャツを着用のこと」


一日を過ごした古文書室の入り口。
ここで、持ち物は、ロッカーに入れて、必要なものだけを持ち込みます。
ペンやバッグは持って入れません。

あらかじめ用意しておいてくれた資料を見せていただきました。
写真撮影やスキャニングは自由にできます。
新渡戸博士の在学期間のCircularsを閲覧していたところ、
No.45(1885年12月号)の学生名簿に、元良勇次郎博士(心理学専攻)の名前を
みつけました。同志社の一期生、日本で最初の心理学者といわれています。
現住所として、新渡戸博士と同じ住所が記載されています。

Yuzero Mtora
Sanda, Japan
Doshisha Kioto Japan 1884 Philosophy
4 McCulloh St.








2013/07/08

ボルティモアのミーティングハウス 

2013年7月7日(日曜日)
ボルティモアのミーティングハウスで、クエーカーの礼拝に出席しました。
このミーティングハウスは、ジョンズ・ホプキンズ大学のすぐ横にあります。
http://homewoodfriends.org/




新渡戸博士は、1886(明治19)年12月、日本人として初めて、
「フレンド派ボルティモア月会会員」として認められ、正式にクエーカー
(友会徒)になりました。
(『新渡戸稲造ものがたり』p.64〜66)

当時は、このミーティングハウスもジョンズ・ホプキンズ大学も別の場所に
ありました。(今回、その地も訪ねる予定です)

日本を出発する前、普連土学園の大津先生に、
「ホームウッド(homewood)のミーティングハウスですよ。
 ぜひ行ってみてごらんなさい」
と教えていただいていたので、7日の朝、ミーティングハウスにでかけてみました。

ホームページによると、その日は、朝7時15分から座禅があると出ていたので、
海外では初めての座禅に参加しました。
この座禅会では、鈴木大拙先生の著書を学ぶこともあるそうです。
葉山の座禅の会でお世話になっている藤田一照先生も、ここで指導されたこともあり、
来月もまたいらっしゃると聞き、うれしくなりました。



座禅会の方々がお帰りになり、建物の中で待っていると、クエーカーの礼拝に
一人、また一人と集まってきました。
一階には、広い会堂があります。



新渡戸博士は、かつて、クエーカーの人々に初めて出会った時のこと、
その「質素な服装」について書いていますので、
どのような服装で参加すればよいのか迷っていました。
座禅の後、様子によっては着替えようと、一応、紺色のズボンに紺色のシャツを
バッグに入れていましたが、まったく心配ありませんでした。
Tシャツに短パン姿も多く、みなさん、まったく普通の服装です。

今日の礼拝は、地下でおこなわれました。
一階の広い会堂は、冷房の設備がなく、暑いので、夏の数ヶ月間は、
地下を使っているそうです。


最初の一時間ほどは、円になって、黙って椅子に座っています。
後半になると、数人の方が、立って話をします。
内容は、さまざま。
自分の病気のこと、家族の不幸なできごと、または、
「今日のような素晴らしい日に感謝したい」というようなコメントなど。
最後に、全員が一人ずつ自分の名前を言います。
礼拝の前に何人かの人と話をしていたので、ぜひ自己紹介をと言われ、
今回のボルティモア訪問の目的、新渡戸稲造博士のことなどを説明しました。
礼拝の後は、みんなで軽いランチを食べます。
いろいろな人が話しかけてくださり、ほとんど食べられませんでしたが、
楽しいひとときでした。

その後は、一人でミーティングハウスの一階にある図書室で過ごしました。
本棚に賀川豊彦氏(キリスト教社会事業家)の本が2冊並んでいました。
賀川豊彦と新渡戸は、1932 (昭和7)年、日本で初めての協同組合の病院の
設立に尽力しました。現在の保険医療につながる尊い事業でした。
たしか賀川豊彦はクエーカーではないと思いますが、どのような経緯で
著書がここに並んでいるのでしょうか。





今日は、ボルティモアで座禅と礼拝に参加させていただき、多くの出会いがありました。
また、「座禅」と「沈黙の礼拝」を両方経験するという貴重な機会を得て、
「仏教とクエーカー」について学ぶきっかけになりました。

その後、すぐ近くのボルティモア美術館に寄り、ホテルに帰ろうと、
まだ日射しの強いジョンズ・ホプキンズ大学のキャンパスを歩き始めると、
大学パトロールの車がやってきて、ホテルまで送ってくれました。
ありがとうございました!