メアリーが所属していたアーチストリート(Arch Street)のミーティングハウス
のすぐ前の歩道で、興味深いものをみつけました。
石で作られた水槽か噴水のようです。
ちょうど通りかかった観光案内の人が説明していた話を聞いてみたところ、
かつて、馬車などが交通手段として使われていたので、その馬のための
飲水槽だったということでした。
左がミーティングハウスの塀、右に飲水槽 |
「PHILADELPHIA FOUNTAIN SOCIETY. INSTITUTED A.D. 1865」(裏面では1869)
と彫ってありますので、もしその時に設けられたものなら、
1857年生まれのメアリーが幼少のころからあったことになります。
車道(馬の側)から見た飲水槽 |
すぐに思い出したのが、1915(大正4)年、新渡戸夫妻が発起人となって
始まった「日本人道会」です。
〈 ・・・欧米式の動物愛護精神を日本に広めるという大きな役割がありました。
子どもたちや警察官に対する動物愛護の教育、牛や馬のための飲水槽
(水飲み場)の修理や設置、動物愛護週間(牛馬を愛する日)を定めるなど、
さまざまな活動をしました。〉
『新渡戸稲造ものがたり』p.147
もしかしたら、幼いときから通っていたミーティングハウスの前にある
この飲水槽のことを覚えていて、日本での飲水槽設置につながったのかも
しれません。
この写真は、ミーティングハウスの中に掲示されていた古い写真の中の一枚。
アーチストリートに馬車が行きかい、塀の向こうには、ミーティングハウスの
建物が見えます。ちょうどこの左手のほうに、この飲水槽があります。
この馬たちもそこで水を飲んだのでしょうか。