新渡戸稲造博士夫妻は、レマン湖を望む邸宅に住んでいた、
そして、その家には来客が絶えなかった、などの情報から、
今回のUN訪問の際、ぜひその邸宅を訪れてみたいと思っていました。
古文書室の資料の中に、新渡戸博士の引越についての書類があり、
そこから、夫妻の住んでいた屋敷の名前が、レザマンドリエ
であることがわかり、その場所をネットで検索してくれました。
なんと、その屋敷は、いまスイスを代表する時計メーカーの一つ、
Franck Mullerの社屋になっていることがわかりました。
その日から、何回か電話してみますが、返答がありません。
とうとう最終日が近づき、思い切って、バスで行ってみることに
したのです。
UNの前から、バスに乗り、ジュネーブの街とは反対方向に向かいます。
新渡戸夫妻が暮らしていた頃、この家々はすでにあったかも
しれません。この同じ道を、博士は毎日、車で通勤していたので
しょうか、などと車窓からの景色を眺めながら、あれこれ思います。
途中、ジュネーブの空港の滑走路近くも、通りました。
さすがに、新渡戸博士のころは、まだ空港はなかったことでしょう。
Franck Mullerの会社になっている建物、と道で出会った人に尋ねてみました。
「この道をまっすぐ、そんなに遠くはないわよ」
もうお屋敷の名前は書いてなかったので、Franck Mullerになっていなかったら、
みつからなかったかもしれません。
三階建て(一番上の階は、屋根裏部屋?)のりっぱな邸宅です。
工事をしている人がいましたが、やはり、会社は夏期休業とのことで
建物の中に入ることはできず、お話を伺うことはできませんでした。
Franck Mullerのホームページで、いまは社屋になった建物が掲載されています。
こちらへ。