2016年10月25日(火曜日)
国立国会図書館(東京都・千代田区)東京本館 新館展示室
平成28年度 企画展示
「続 あの人の直筆」
フロアレクチャーに参加しました。
講師は、季武(すえたけ)嘉也 氏
(創価大学文学部教授 国立国会図書館客員調査員)
「文化財の行方」「文字について」「江戸時代の鑑定」のお話のあと、
実際の直筆文書を解説いただきながら、見学しました。
新渡戸稲造博士は、【第三部 近現代】の教育家として、
直筆文書一点が展示紹介されていました。
そのほかに、近現代の人々としては、
後藤新平、石橋湛山、賀川豊彦、新島襄、柳田國男、夏目漱石、
朝倉文夫の各氏など、新渡戸博士ゆかりの方々の直筆も展示。
新渡戸稲造
展示資料番号 69
新渡戸稲造書簡 昭和2(1927)年7月16日
請求記号 鶴見祐輔関係文書(書簡の部)514-4
「鶴見祐輔あて」と紹介されていますが、実際には、
東京帝国大学教授時代の教え子である鶴見祐輔が刊行した
『北米遊説記』を読んだ感想を、出版社「大日本雄弁会講談社」の便箋に
書いた書評と思われる。
日付は、昭和2(1927)年7月16日、消印は同日、軽井沢。
内容は、
「・・・一般社会は海外の奉仕の如何なるものかを知らぬ。
外国働きをする者は、単に才能や手腕に長ずるだけでは事たらぬ。
心中、確信と犠牲と奉仕の念の強きを欠くべからざる条件とする」
(以上、一部抜粋)
1927年は、国際連盟事務次長を退任して帰国した翌年。
海外での自身の働きについての思いも重なる内容である。
また、「鶴見の後継者となるべき人物の出現に期待」している。
展覧会は、11月12日(土曜日)まで。展示替えもありますが、新渡戸博士の
直筆は会期中ずっと展示の予定。