『財界回顧』池田成彬 述 世界の日本社 昭和二十四年七月二十五日
第二章 慶応大学とハーヴァード大学
p.35〜36より
・・・ハーヴァードの教育の革新だというのは、
グリーク(ギリシャ語)、ラテンというものは御承知のように
西洋では、大變(大変)なもので、それをやらなければ学生として
問題にならんといわれておったのを、私に対し特に免除したというので、
新聞はエリオット総長の英断をほめて書き立てたものでした。
序でに(ついでに)セイヒン・イケダという日本の学生の名が方々の
新聞に出たもんだから、私の所へ知らない人から手紙が来て、
えらくセンセーショナルなものになりました。
その時に新渡戸稲造君がフィラデルフィヤでそこの馬車鐵道會社社長の
娘さんを奥さんに貰いました。その當時日本人というと軽蔑されておった
時ですから、これもビッグ・ニュース。私の學校のことが載った直後に
又新渡戸君の結婚問題がフロント・ページにでかでかと出たものです。
以上、同書から引用。( )は筆者加筆。