2016年5月6日(金曜日)午後6時〜
講演会「近衛ファミリーの昭和」
講師:工藤美代子氏
セシオン杉並ホール
新渡戸博士が旧制第一高等学校の校長だった時の教え子の
一人で、戦前に総理大臣を3度にわたって務めた近衛文麿公爵の
別邸「荻外荘(てきがいそう)」が、このたび、国の史跡に
指定されました。
この別邸では、「荻窪会談」(昭和15年)など
重要な政治会談もおこなわれました。
終戦後、1945(昭和20)年12月6日、GHQより逮捕令が発せられ、
出頭当日の12月16日早朝、
近衛元首相は、荻外荘の書斎にて自決しました。
近衛文麿(1891年〜1945年)首相は、新渡戸博士の没後、
次のような内容の追悼文を書いています。
私が初めて新渡戸先生を知ったのは、
学習院中等科の在学中、一高の新渡戸校長が学習院で講演。
あれほど感動したことはなかった。
一高を受験。新渡戸先生が校長であるということが主な動機であった。
先生は私の父とドイツのボン大学で一緒だった。
入学すると、毎週一回の修身講和を聞き、
「人格の完成、自分自身を反省して掘り下げていくこと、
名誉や立身出世は究極の価値あるものではない」ことを教えられ、
貴重な感化を受けた。
大学卒業後、先生が「なにをやるのか」と言われるので、
「なにをしたらよいか」と尋ねたら、
「君は立場が違う。一通りいろいろなことを心得ておくことがよい」
「あらゆる人とつきあってみよ」
と助言を受けた。
先生は、当時、内務大臣だった後藤新平さんに話をしてくれ、
私は、内務省文書課に行った。
「新渡戸稲造全集」別巻一 p.170〜「新渡戸先生」より抜粋
記念特別展 「荻外荘」と近衛文麿
平成28年4月29日〜5月29日
杉並区立郷土博物館