2013年7月末、楽しみにしていた映画「終戦のエンペラー」が
封切りになりました。
この映画は、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の最高司令官マッカーサーの
軍事秘書官で、日本の専門家だったボナー・フェラーズの物語です。
ボナー・フェラーズ(Bonner F. Fellers)は、終戦後まもなく、
マッカーサーとともに来日します。
〈 フェラーズは、カーライルを学び、稲造の『武士道』を読んで日本人の
名誉を重んじる精神をよく理解しているクエーカーで、稲造の教え子である
河井道と、その弟子の一色ゆり(旧姓:渡辺)の友人でもありました。〉
(伝記『新渡戸稲造ものがたり』p.222より)
フェラーズは、アメリカのアーラム大学で留学生一色ゆりと出会い、
日本についての関心を深め、ラフカディオ・ハーンの著書を読んで
日本のことを学びました。
戦前には、新婚旅行で来日するなど、家族ぐるみのおつきあいが続いていました。
戦後、来日したフェラーズは、ラフカディオ・ハーンの遺族、河井道、一色ゆりの
消息を探します。
そして、再会できた河井と一色をアメリカ大使館に招き、日本の天皇制を存続
させるべきか、二人に意見を聞くのです。
伝記では、このように紹介していますが、映画「終戦のエンペラー」では、
違うお話の展開になっていました。
実録や実名入りの映画の中で、どこまでが事実で、どこからがフィクションなのか
わかりにくいと感じました。
友人同士が引き離されてしまった戦争。
けれども終戦後には、お互いへの思いが変わらないものであることを描いた
印象深い映画でした。
「終戦のエンペラー」公式サイト
http://www.emperor-movie.jp/