2014年1月5日(日)〜3月16日(日)
近代日本を支えた江戸・明治の教養 第2部
和魂洋才
明治時代の日本人が希求した、新しい日本のための書物
日比谷図書文化館 特別研究室
展示関連講座
「内田嘉吉文庫に学ぶ 明治の和魂洋才」
2014年1月16日(木)19:00〜21:00
日比谷図書文化館地下1階 日比谷コンベンションホール
「和魂」とはなにか。
これには、さまざまな解釈があるようだ。
新渡戸稲造博士は、『武士道』という著作によって、その説明を試みたといえると思う。
伝記『新渡戸稲造ものがたり』では、「和魂洋才」について、次のように
記しています。
〈 日本の文化や伝統をよく知り、しかもそれを英語で世界に発信することができた
稲造、内村(鑑三)、岡倉(天心)は、並外れた国際人、英語の達人として
取り上げられることがよくあります。
この三人には、興味深い共通点があります。歳がほとんど同じで、『論語』を
教材にした江戸時代の教育を受け、十歳にある前に明治維新を経験し、
新しい西洋の学問を外国人教師から直接教わったということです。つまり、
伝統的な日本文化と価値観の中で育ち、その上に近代的な西洋の学問を英語で
学んだ、まるで「接ぎ木」のような人間形成が、彼らを真の国際人に育てたのです。
まさに「和魂洋才」です。現在ではもはやありえない、この時代だけの独特な
ものでした。激動の時代に、それを支えたのが、彼らの高い志と強い使命感
だったのです。〉
『新渡戸稲造ものがたり』第七章 世界的な名著『武士道』 p.112〜113
〈 和魂洋才=日本古来の精神を大切にしながら、西洋の技術を取り入れて
発展すること 〉
『新渡戸稲造ものがたり』p.112下段の注より
江戸時代末期、幕末から明治維新への大きな変革とその後の発展を振り返る時、
活躍した多くの人材が、どういう環境で育ち、教育を受けたのか、
家庭での教育、藩制、国学、陽明学、論語、儒教、神道、徂徠学・・・、
大変興味深く、学ぶべきことが多いと感じています。
内田嘉吉と新渡戸稲造については、こちら。
内田嘉吉文庫については、こちら。