2013/07/08

ボルティモアのミーティングハウス 

2013年7月7日(日曜日)
ボルティモアのミーティングハウスで、クエーカーの礼拝に出席しました。
このミーティングハウスは、ジョンズ・ホプキンズ大学のすぐ横にあります。
http://homewoodfriends.org/




新渡戸博士は、1886(明治19)年12月、日本人として初めて、
「フレンド派ボルティモア月会会員」として認められ、正式にクエーカー
(友会徒)になりました。
(『新渡戸稲造ものがたり』p.64〜66)

当時は、このミーティングハウスもジョンズ・ホプキンズ大学も別の場所に
ありました。(今回、その地も訪ねる予定です)

日本を出発する前、普連土学園の大津先生に、
「ホームウッド(homewood)のミーティングハウスですよ。
 ぜひ行ってみてごらんなさい」
と教えていただいていたので、7日の朝、ミーティングハウスにでかけてみました。

ホームページによると、その日は、朝7時15分から座禅があると出ていたので、
海外では初めての座禅に参加しました。
この座禅会では、鈴木大拙先生の著書を学ぶこともあるそうです。
葉山の座禅の会でお世話になっている藤田一照先生も、ここで指導されたこともあり、
来月もまたいらっしゃると聞き、うれしくなりました。



座禅会の方々がお帰りになり、建物の中で待っていると、クエーカーの礼拝に
一人、また一人と集まってきました。
一階には、広い会堂があります。



新渡戸博士は、かつて、クエーカーの人々に初めて出会った時のこと、
その「質素な服装」について書いていますので、
どのような服装で参加すればよいのか迷っていました。
座禅の後、様子によっては着替えようと、一応、紺色のズボンに紺色のシャツを
バッグに入れていましたが、まったく心配ありませんでした。
Tシャツに短パン姿も多く、みなさん、まったく普通の服装です。

今日の礼拝は、地下でおこなわれました。
一階の広い会堂は、冷房の設備がなく、暑いので、夏の数ヶ月間は、
地下を使っているそうです。


最初の一時間ほどは、円になって、黙って椅子に座っています。
後半になると、数人の方が、立って話をします。
内容は、さまざま。
自分の病気のこと、家族の不幸なできごと、または、
「今日のような素晴らしい日に感謝したい」というようなコメントなど。
最後に、全員が一人ずつ自分の名前を言います。
礼拝の前に何人かの人と話をしていたので、ぜひ自己紹介をと言われ、
今回のボルティモア訪問の目的、新渡戸稲造博士のことなどを説明しました。
礼拝の後は、みんなで軽いランチを食べます。
いろいろな人が話しかけてくださり、ほとんど食べられませんでしたが、
楽しいひとときでした。

その後は、一人でミーティングハウスの一階にある図書室で過ごしました。
本棚に賀川豊彦氏(キリスト教社会事業家)の本が2冊並んでいました。
賀川豊彦と新渡戸は、1932 (昭和7)年、日本で初めての協同組合の病院の
設立に尽力しました。現在の保険医療につながる尊い事業でした。
たしか賀川豊彦はクエーカーではないと思いますが、どのような経緯で
著書がここに並んでいるのでしょうか。





今日は、ボルティモアで座禅と礼拝に参加させていただき、多くの出会いがありました。
また、「座禅」と「沈黙の礼拝」を両方経験するという貴重な機会を得て、
「仏教とクエーカー」について学ぶきっかけになりました。

その後、すぐ近くのボルティモア美術館に寄り、ホテルに帰ろうと、
まだ日射しの強いジョンズ・ホプキンズ大学のキャンパスを歩き始めると、
大学パトロールの車がやってきて、ホテルまで送ってくれました。
ありがとうございました!