2017/01/26

東京帝国大学図書館の復興

2017年1月25日

1923(大正12)年9月1日、関東大震災が起こった時、
新渡戸博士は、国際連盟事務次長として在任中で、
スイスのジュネーブにいらっしゃいました。
当時、海外にいた人々は、この悲惨なニュースの
詳細がなかなかわからず不安な日々を過ごしましたが、
新渡戸博士もそんなお一人でした。

以下、『團琢磨伝 下』p.155〜 抜粋

東京帝国大学は、教室の一部と、附属図書館をすべて
失い、蔵書80万冊以上が跡形もなくなりました。
直ちに図書館復興委員会が組織され、数名の教授を
欧米各国に派遣して、大学や学界、名士らに協力を呼びかけました。
ニューヨークでは、ロックフェラー第二世が四百万円の寄付を
決心し、その資金の保管管理に著名な銀行家を要求したことから、
團琢磨が着任しました。

鉄骨鉄筋、地下地上八階の立派な図書館が完成しました。
(抜粋おわり)

上記の話から、ジュネーブの国際連合アーカイブに保存されている
東京帝国大学図書館復興に関する書類を思い出しました。
新渡戸博士は母校でもあり、また、教授を務めた同大学の復興に
大変関心を寄せて、欧米にある数多くの大学などに協力依頼の手紙を
書き送っています。
同図書館は「一つの図書館に過ぎず、ここは、日本の知の集積地」と、
その救済に遠くスイスで尽力しました。
同アーカイブには、復興後の図書館の絵などが含まれた報告書が
残されています。