2016/10/31

作文コンクール表彰式

2016年10月30日(日曜日)

第18回 後藤新平・新渡戸稲造 記念
拓殖大学 高校生・留学生 作文コンクール
表彰式

拓殖大学 文京キャンパス(東京都文京区)
後藤新平・新渡戸稲造記念講堂
10:30 〜

今年もさらに応募数が増え、総応募数1538作品の中から、
高校生の部(後藤新平賞)入賞は42、留学生の部(新渡戸稲造賞)19作品
と伺いました。
受賞者のみなさま、おめでとうございました。
学生のみなさまの作品、スピーチは、感動的でいつも勉強になります。
今年も授賞式、記念パーティーにお招きいただき、ありがとうございました。

2016/10/28

「続 あの人の直筆」

2016年10月25日(火曜日)
国立国会図書館(東京都・千代田区)東京本館 新館展示室
平成28年度 企画展示
「続 あの人の直筆」

フロアレクチャーに参加しました。
講師は、季武(すえたけ)嘉也 氏
(創価大学文学部教授 国立国会図書館客員調査員)

「文化財の行方」「文字について」「江戸時代の鑑定」のお話のあと、
実際の直筆文書を解説いただきながら、見学しました。
新渡戸稲造博士は、【第三部 近現代】の教育家として、
直筆文書一点が展示紹介されていました。

そのほかに、近現代の人々としては、
後藤新平、石橋湛山、賀川豊彦、新島襄、柳田國男、夏目漱石、
朝倉文夫の各氏など、新渡戸博士ゆかりの方々の直筆も展示。

新渡戸稲造
展示資料番号 69
新渡戸稲造書簡 昭和2(1927)年7月16日 
請求記号 鶴見祐輔関係文書(書簡の部)514-4

「鶴見祐輔あて」と紹介されていますが、実際には、
東京帝国大学教授時代の教え子である鶴見祐輔が刊行した
『北米遊説記』を読んだ感想を、出版社「大日本雄弁会講談社」の便箋に
書いた書評と思われる。
日付は、昭和2(1927)年7月16日、消印は同日、軽井沢。

内容は、
「・・・一般社会は海外の奉仕の如何なるものかを知らぬ。
 外国働きをする者は、単に才能や手腕に長ずるだけでは事たらぬ。
 心中、確信と犠牲と奉仕の念の強きを欠くべからざる条件とする」
(以上、一部抜粋)

1927年は、国際連盟事務次長を退任して帰国した翌年。
海外での自身の働きについての思いも重なる内容である。
また、「鶴見の後継者となるべき人物の出現に期待」している。

展覧会は、11月12日(土曜日)まで。展示替えもありますが、新渡戸博士の
直筆は会期中ずっと展示の予定。



2016/10/18

ご命日

2016年10月16日(日曜日)
多磨霊園(東京都)

新渡戸稲造博士のご命日にあたる10月15日(日本時間16日)。
今年は週末に重なりました。

今年も、ゆかりの学校/同窓会からのお花がたくさん供えられていました。

2016/10/10

『20世紀における女性の平和運動』

2016年10月 読書メモ

『日本女子大学叢書1 
 20世紀における女性の平和運動
 ーーー婦人国際平和自由連盟と日本の女性』
中嶌 邦 ・ 杉森 長子 編
2006年5月 ドメス出版

「婦人平和協会」という平和の文字を全面に掲げて
最も早く始まった女性団体の活動を中心にとりあげた論文集。
協会成立へ大きな影響を与えた成瀬仁蔵および新渡戸稲造と
その夫人メアリーの動向、協会の結成と活動の展開など。
(千代田区立図書館のHPより)

1910年代、新渡戸稲造博士および成瀬仁蔵先生(日本女子大学
創設者)やそのまわりの人脈から始まった日本における女性の平和運動が
アメリカや世界の動きに呼応するように発展、新渡戸博士の
教え子たち(上代タノ先生や河井道先生)によって、継承されて
いったこと、そして、新渡戸博士が、国際連盟事務次長を務めた
国際連盟とともに、国際組織の一つとして活動してきたことなど、
女性平和活動の活発な展開が興味深い。

目次
第一部
女性の平和運動への触発 成瀬仁蔵の平和思想と活動 / 中嶌/邦‖著
婦人平和協会へ向けて 新渡戸稲造夫妻と成瀬仁蔵 / 小塩/和人‖著
婦人平和協会の結成と活動の展開 / 杉森/長子‖著
婦人平和協会と第二次世界大戦 / 杉森/長子‖著
日本における婦人国際平和自由連盟の国際総会開催 / 蟻川/芳子‖著
WILPFと国連 / 秋林/こずえ‖著

第二部 年表より

1919(大正8)年1月
国際問題研究会発足(新渡戸稲造邸)
目賀田逸子(目賀田種太郎夫人、勝海舟三女)、
新渡戸萬里子(新渡戸稲造夫人)、
津田梅子(新渡戸博士の友人、津田塾大学創設者)らの呼びかけにより、
井上秀子、上代タノ、羽仁もと子(自由学園創設者)、
塚本はま子など数十人参加。

1920(大正9)年1月
国際連盟発足

1921(大正10)年7月10日〜14日
第三回国際会議(ウィーン、参加21カ国222人)
日本から新渡戸萬里子らが参加。
第一次世界大戦で敵味方だった諸国の婦人たちが、
平和のための努力を誓い合う

1923(大正23)年6月
国際会長ジェーン・アダムス来日

1924(大正24)年5月17日
第4回国内総会(門野重九郎邸)
講演「ジュネーブ湖畔に開く世界市民の集まり」
新渡戸萬里子

1926(大正15)年5月8日
第6回国内総会
講演「太平洋問題について」
鶴見祐輔

同年7月8日〜15日
第五回国際会議(ダブリン、参加20カ国151人参加)
日本支部代表として上代タノが出席、初めて支部報告をおこなう
「平和へのつぎの段階」
上代タノ

1927(昭和2)年5月21日
第7回国内総会(ドイツ大使館)
講演「平和を将来する人々」
河井道

1928(昭和3)年5月18日
第8回国内総会(大阪ビルディング講堂)
講演「世界の平和と婦人」
新渡戸稲造

1930(昭和5)年6月6日
第10回国内総会
第二代理事長 河井道

1931(昭和6)年
懸賞論文発表「拓け国際協力への進路を」
日米児童画交換開始
満州問題メッセージカード2500枚配布
世界軍縮誓願者署名運動など

(以上、新渡戸博士関連を抜粋、1932年以降は省略)

新渡戸稲造博士の教え子の一人、河井道先生(恵泉女学園創設者)は、
理想とする女子教育の柱に「国際」を掲げていらっしゃいました。
「少女たちが、外国のことを知るようになれば、戦争はなくなると
考えていました。」(『新渡戸稲造ものがたり』より)

やがて母親になる少女たちが、海外のことにも目を向け、平和の尊さを
知ることで、そして、その思いが世界中の女性たちからも芽生え、
響き合い、一つになれば、戦争の悲劇はいつかなくなるのではないでしょうか。
そんな共通の思いを強く感じられる先人たちの活動を知る機会になりました。

2016/10/04

『明治大正昭和の人々』佐佐木信綱

『明治大正昭和の人々』佐佐木 信綱 著
 図書出版株式会社/新樹社 昭和36年1月30日 発行

この本には、佐佐木信綱先生が関わった実に多くの著名人について
紹介されています。

以下、読書メモ

p.80 新渡戸稲造

明治42年の春の竹柏会では、新渡戸博士にご講演を依頼。
新渡戸博士は、「ファウスト物語について」という題で話され、
「敷島の道に心得のない私が、こういう会で出ますことは、忠臣蔵の芝居に
 弁慶でも出るように、あまりに釣り合いのわるいことで・・・」と
おもしろく前置きをされ、話を進められた、と書かれています。

しかし、博士は、敷島の道を心得られないのではなく、学生の会合とか
結婚式などには、たびたび、訓誡(くんかい=物事の善悪、是非を教え諭すこと)
の古歌を引用された。

注・竹柏会(ちくはくかい)=歌誌「心の花」を発行する短歌結社(佐佐木信綱主宰)

(中略)

三村起一氏の結婚披露宴(上野の精養軒)では、
(佐佐木先生は)媒酌人 新渡戸博士の前の席に座られた。


注・三村起一(1887年〜1972年)は、一高から東京帝国大学法科卒の実業家。
  住友鋼業初代社長、日経連、経団連の理事なども歴任。

(中略)

軽井沢にいたある夏の夕べ、霧の深い山荘に、博士を訪ねたことがある。
喜んでお迎えくださり、歌語りに時を過ごし、さて帰ろうとして玄関に出た
ところへ、夫人が帰って来られた。
博士は、自分を、歌の道に何十年をささげた人であるというふうに夫人に
紹介され、夫人の答えを訳して聞かせてくださった。
それは、短い言葉であったが、意味の深い言葉であった。

///
新渡戸稲造先生についての部分のみ、抜粋(一部書き直し)。注などは筆者。



佐藤昌介先生ゆかりの地とお声

2016年10月1日(土曜日)午後

市民のための「新渡戸教室」の終了後、
市内の佐藤昌介先生ゆかりの地にご案内いただきました。

市民のための「新渡戸教室」 花巻新渡戸記念館

2016年10月1日(土曜日)
10時30分〜
花巻市立 花巻新渡戸記念館

市民のための「新渡戸教室」
「新渡戸稲造博士の足跡を訪ねて」 柴崎 由紀

朝一番の新幹線で、東京駅から新花巻駅に向かいました。
東京は小雨の降るお天気でしたが、東北に近づくにつれて
空が高くなり、すっきりした青空の広がる新花巻駅に到着。
この日は、国体の初日。46年ぶりの岩手県での開催です。
天皇皇后両陛下も、すでに花巻にご滞在中です。

新渡戸稲造博士のご先祖の地 花巻の花巻新渡戸記念館にお招きいただき、
下記のような内容のお話を準備しました。

1 はじめに(自己紹介)

     伝記『新渡戸稲造ものがたり』ができるまで

        ・ルーズベルト大統領からの贈物「時計」(花巻新渡戸記念館で展示)
   と 鎌倉の河野家についてご紹介

2 小さな旅へご案内
     「新渡戸稲造博士の足跡を訪ねて」
  アメリカ・イギリス(ロンドン)・スイス(ジュネーブ)・カナダ
  ~ 非公開資料と取材裏話 ~

  ・約50枚の写真をご覧いただきながら、小さな旅へご案内

3 一人の人物の生涯を通じて学ぶこと
  日本の子どもたち/若者たちへの思い

4    新渡戸稲造夫妻と山室軍平・山室機恵子(花巻出身)夫妻

5 質疑応答(Q&A)

この日は、宗徧流のお茶の先生がたが、お茶席をご用意くださり、
来館者さんたちは、お菓子とお茶も楽しみました。

晴天の休日、そして、国体開会式の日にもかかわらず、お参加いただきました
市民の方々、嶽間澤 茂 館長様、菊池喜一 副館長様をはじめ、ご関係者の皆様に
心より御礼を申し上げます。